また、伝統工法は「ただ古い」だけではなく、実用性と美的価値の双方を備えています。鳥取県のある工務店では、「石州瓦」と最新の断熱材を融合させたハイブリッド屋根を提案し、デザイン志向の施主層から支持を集めています。

2. 後継者不足の今こそチャンス！伝統工法で新規顧客を獲得する方法

四国・中国地方でも建設業界の後継者不足は深刻化していますが、それは逆に「技術を受け継ぐ側」にとって大きなチャンスです。高知の「土佐漆喰」や岡山の「なまこ壁」、島根の「石州瓦葺き」など、今では希少となった技術に注目が集まっています。

まずは、地域で開催されている技術習得の機会を活用しましょう。香川県の「匠の学校」や、岡山県の建築文化研究会では、現役職人から直接技術を学べる講習が開催されています。施工だけでなく、文化的背景を学べるため、提案力にも深みが増します。

さらに、デジタル発信は欠かせません。InstagramやYouTubeで施工工程や完成写真を発信し、「#伝統工法」「#石州瓦」などの地域タグで拡散することで、見込み顧客に届きやすくなります。実際、徳島県の一人親方AさんはSNS投稿を通じて月に3〜4件の新規問い合わせを獲得しています。

加えて、地域のネットワークへの参加も有効です。愛媛県の「えひめ職人会」や、広島の「ひろしま建築ネットワーク」などに参加すれば、共同で大型案件を請け負う機会にもつながります。

また、文化財修復の分野は特に注目。出雲大社や石見銀山のような歴史的建造物の修復現場では、伝統工法を扱える職人の需要が高まっており、島根県や鳥取県では技術者育成や資格取得支援も行われています。

3. プロが教える四国・中国伝統工法の極意！一人親方だからこそできる高付加価値サービス

四国・中国地方の伝統工法は、気候風土と地域文化に根ざした「機能美」の宝庫です。「檜皮葺き屋根」「なまこ壁」「石場建て基礎」「伝統木構造」など、他地域にはない特異な技術を持つことで、一人親方でも唯一無二の存在になれます。

例えば、山口県の建築士・井上氏は、周防地方の伝統技術である「赤瓦屋根」と最新の耐震構造を融合させた住まいを提案し、都市部から移住してきた施主に高く評価されています。

こうした技術を活かすには：

• 地域ごとの特性（材料・気候）を理解し応用する

• 現代の安全基準に準拠した設計を工夫する

• 一般公開や現場見学会でリアルに技術を伝える